第6話 話合う

2009年06月02日

我が息子は突然、驚くような行動にでた。

高校2年生の時に家出をしたのだ。

それも、彼のお父さんがアブレーションの心臓の手術をする日に。


「今日は学校が終わったらお見舞いに行くから」といって、姿を見せずにそのまま・・・

お父さんの心痛も量りしれないものがあった。

私は、自分を責めた。

仕事が忙しいことを理由に息子の気持ちを受け止めていなかったし、
子育てが間違っていたと自分を責めることしか、その当時の私には出来なかったのだ。


広島に行っていたらしいのだが、福岡に戻ってきたとき、私たちの仕事仲間が信号待ちのとき息子を見かけ電話をくれた。

何とか、彼と連絡がついて夜遅く何度か話し合うチャンスがもてるようになった。

その時、社会人サッカーチームに席を置いてお世話になっていた監督が
親身になって足しげく家にきて話をしてくれた。


なんとも、ありがたいことであった。

私は、なんと沢山の人々に支えられ生かされているかとしみじみ実感させられた。

そして、何があっても話し合いしかないと感じたのも、この件でつかんだことである。 

何度も何度も話し合った。

息子も出席日数ギリギリで高校を卒業する事ができた。


常識という名の元に子育てには「しつけ」が付いて回る。

人間としてどうあるべきか基本的なのは大事なのだが、
世間からどう見られるかという保身からのしつけは意味がない。


それよりも、人間に生まれた喜び、人と関わる楽しさ、ことばを持っていることがどんなに素晴らしい可能に満ちているのか

その頃の、母親である私がまだつかんでなかったのだ。

ことばをもつ人間として生をうけた素晴らしさをとことん伝え、乗り移るのが母親の使命だと、苦い経験を通して実感している。




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Posted by nagai@福岡 at 08:00 │母としての目覚め